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エリザベート・クリストフェル・ベレス

 さて、「秋のワイン会 10月29日」で飲みました2本目のドイツワインを紹介させていただきますね。

エルデナー・プレラート 1989 アウスレーゼ エリザベート・クリストフェル・ベレス(Erdenar Pralat 1989 Auslese Elizabeth Cristffel-Berrs)

 Dscf2243 エルデン村のプレラート(高位聖職者、高僧)畑(等級:アウスレーゼ)というワインです。写真では見にくくて申し訳ありませんが、エチケット左に白い僧侶が描かれています。この畑は複数の所有者がいるのですが、なぜか、加えて、Dr.ローゼン、メンヒフォフの少なくても3醸造所が同じ絵と思しきエチケットを採用しておりました。

 過去形で書いたのは、残念ながらこの蔵は1997年後継者不足により、惜しまれつつも蔵を閉めてしまったからです。他にも、エルデナー・トレプフェンワイン、ユルティッヒャー・ヴュツガルデン等の畑を有しており、ワインに夢中になり始めた頃から随分とお世話になったので、蔵を閉めたと聞いた時には本当に残念、悲しかったです。それでも、一番畑の、このプレラートは、今やドイツでも10指に数えられるDr.ローゼンに買い取られたとのことで、ドイツワインファンとしては、唯一の救いでした。

 さて、肝心のワインですが、小生が個人的には大変優れたヴィンテージであると思っている1989年もの、経験上、既に充分飲み頃と思って抜栓したのですが、グラスに注いだワインはまだ若干黄色が混じっているものの麦わら色。香りからも熟成香はほとんど見出すことはできません。口に含むと強烈な酸味に驚かされてしまいました。1989年は天候が良すぎて酸が不足した年だと言う方もいらっしゃいますが、このワインに関してはまったくそんあことはありませんでした。糖分はアウスレーゼとしては低め、50g/L代からせいぜい60g/L代前半位でしょうか。ただ、あまりの酸に甘味がマスキングされている可能性があります。

 ワインとなって22年が経過している訳ですが、小生が予想している1/3程度の熟成進行度であると思います。50年選手である可能性があります。

 一般的には高い糖分が保存性を高めると考えられがちです。これもその重要な要素ですが、小生はドイツワインの高い生命力は『酸』にこそあると思っています。昔、やはり20年以上が経過している糖分が極少ない低い等級のワインでまったくといっていいほど熟成が感じられないワインに出会い、かなり驚かされたことを今も鮮明に憶えています。

 もしかしたら、このワインはまだこれから10年、20年と同じような状態が続き、小生が思い描く金色に輝くワイン育たないのかもしれません。

 幸い同ロットの同ワインをあと4本入手できましたので、10年、15年、20年後(その後はこちらの寿命が…)と、このワインの将来を確かめたいと思います。

 また、ドイツワインの奥深さを発見してしまいました。もう絶対に抜けられません。でも、なんて素晴らしい人生かって、改めて幸せに浸った一晩でした。

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ドイツワイン」カテゴリの記事

コメント

アウスレーゼさん、はじめまして。
ドイツワインに対する熱い思いが伝わって来る素敵なブログですね。
さて、クリストッフェル・ベレス。私も思い入れのある造り手です。本格的に飲み始めた頃、気に入って毎日のように飲んでました。おっしゃるように残念ながら後継者がなく、1997年ヴィンテージを最後にメンヒホーフ醸造所に売却されてしまいましたが、このプレラートの高僧エチケットの使用権に関してはローゼンと裁判で争っていたと聞いてました。円満に解決されたんでしょうか?
それはともかくまだこの1989年産は若いですか。ウチにも1本あるのですが、アウスレーゼさんの感想を拝見して、もっと置いておくことにします(笑)。それにしても熟成香がほとんど無いとは驚きですね。
最近は若い辛口リースリングばかり飲んでますが、本来は私も熟成した甘口リースリングが大好きなので、また色々お教えいただきたいと思います。ちょくちょくお邪魔しますので今後ともよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m

投稿: 緑家 | 2011年11月 9日 (水) 22時07分

アウスレーゼさん。遂に待ち望んでいた展開が始まりましたね。フォンちゃんも遠い読者の方ができてびっくりしています。こんなすごいものを飲まずに撃沈していたことが悔やまれます(笑)

投稿: | 2011年11月11日 (金) 22時23分

緑家 様 
はじめまして、静岡のアウスレーゼです。
ずっと以前から、緑家様のブログを拝見しており、ワインに対する深い知識やドイツワインへの愛情など、とても尊敬しておりました。緑家様やSchloss Naturrein様のブログに感化され、ドイツワインの将来を憂い、自分の口でドイツワイン(他の趣味も多いのですが…)を語りたいと、昨年5月に苦手なパソコンを前に奮闘してブログを開設しました。その緑家様からコメントをいただき、感激しております。
緑家様のような深く広い知識もないので、誤った記述もあるかも知れませんが、その時は是非とも御指摘・御指導をいだだきたいと思います。
プレラート畑の件は販売店や複数の方のブログ等からローゼンに売却されたとばかり思っておりました。(市場のローゼン:プレラートも増えたような気もしていました…。)
エチケットの紛争についてはまったく知りませんでした。貴重な情報をありがとうございました。
小生の飲みましたベレスのプレラートに関しては、ちょっと他のワインの熟成プロセスと異なる点だけは間違いありませんでした。しかしこのAPNaだけが異なるのかもしれず、ちょっと難しいなと感じました。(過去のベレスは普通に熟成していたし、最近飲んだ、ローゼンのプレラート1990Aや、ル・ガレの1990Sは、まだかなりの寿命があるものの十分飲み頃に入っていましたから…。)
緑家様がお読みくださっていることがわかりましたので、なお一層、ドイツワインについて頑張って書かせていただきます。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: アウスレーゼ | 2011年11月12日 (土) 04時01分

アウスレーゼさん
過分のお言葉ありがとうございます。駄文を書き連ねているだけですので、そう仰っていただくとなんともお恥ずかしい限りです。^^;
さてプレラートのエチケットの話ですが、改めて情報のソースを探してみたんですが見つかりません。うーん、確かそんな話だったと思うのですが、どうも最近脳がアルコール漬けでやられていまして...すみません、忘れて下さい。m(__)m
ベレスは本当に素晴らしい造り手でした。それが今メンヒホーフに継がれているかと言うと...実はこれまた好きなJJクリストッフェル・エルベンもまたメンヒホーフに売却されてしまいまして、どうも味が落ちているようで残念です。
ローゼン・プレラート1990は良かったですか?調べてみると12年前に私も飲んでいるようですが、アウスレーゼにしてはちょっと弱い印象を受けたと記録にありました。個人的にはローゼンはちょっと苦手なんで参考にも何にもなりませんけど。
ル・ガレの1990シュペートレーゼとはこれまた通ですね。個人的にはエゴンは熟成感が出るのが早いように思っていますが、これは一度飲んでみたいものです。
セラーを5台もお持ちだとか。そのうちどれぐらいの比率がドイツワインなのでしょうか?差支えなければお聞かせ下さい(笑)。Schloss Naturreinさんも凄いですが、アウスレーゼさんも凄いですよ。
ドイツワインは恐らく日本ではもうダメでしょうけど、我々はいくらでも楽しめますから仲間内でどんどん行っちゃいましょう。こちらこそ御指導御鞭撻のほどよろしくお願い致します。m(__)m

投稿: 緑家 | 2011年11月12日 (土) 23時05分

緑屋様
 ローゼンはゴーミヨ等の評価は高いもの小生もまったく注目していませんでしたが、たまたまヤフオクで安く手に入ったので期待もせずに飲んだところ本当にびっくりしてしまいました。まあ、この辺は好みですね。ちなみに小生はプリュムが苦手です。
 小生は名前のとおり甘いワインが大好きでシュペートレーゼ以下のストックは、たぶん数本です。
ドイツの甘いワインが一番ですが、ボルドーもブルゴ-ニュもイタリアも大好きです。
食べること自体も好きで、アウスレーゼ以上のワインを食事にあわせることは難しいので、ある意味デザートの1本のために辛口白も赤も保持している状態です。その白、赤もどうせお金をかけたセラーに寝かせるならより良い蔵のより良いヴィンテージを、と買い続けたのですが、当然のことながら飲み頃になるまでに時間を要するので、どんどんとセラーが増えてしまいました。今はとても入りきらないのでエノテカのレンタルセラーを借りたり、友人のセラーに突っ込んだり(嫌がっているが容赦ない)しており、一体何本あるのか把握できていませんが、3~4割はドイツだと思います。
今は、70年代以前の黄金期のラインガウをできるかぎり試してみたいと奮闘しています。
日本ではなかなか見つからないワインを近々ブログに掲載予定です。貴重だと思うのですが、貴重であることをご理解いただける方は極少ないと思いますので、よろしかったら、またブログを覗いてみてください。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: アウスレーゼ | 2011年11月13日 (日) 10時39分

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