ドイツワインの現状と問題 その1
前回、カテゴリーにドイツワインを新たに作成しましたので、まずは、小生なりに考えた現状と問題を書かせていただきます。
その前に言い訳になってしまいますが、小生は、ワインの業界に身を置くものでもなく、ソムリエ等の専門的知識を有する者でもなく、あくまでも素人の愛好家であるため、内容に誤りがあったり、偏見が多々あろうかと思います。また、後述しますが、ドイツワインに関する情報があまりにも少ないという現状もありますことから、この点について、ご勘弁くださいませ。
現在、世界の何か国でワインが生産されているかわかりませんが、ブドウは、年平均気温10℃から20℃の等温線の範囲内、そうですね、北半球で言えば北緯30度から50度、南半球では南緯20度から40度の範囲で栽培されてるそうです。
信頼できるデータが手元になく情報が古くて申し訳ありませんが、「2006 ソムリエ協会 教本」に掲載された2003年のデータによると、世界のブドウの栽培面積は約800万ha、ワイン生産量は約2,670万KLとあります。
うちドイツワインの生産量は、世界第9位、約82万KLとのことですから、全世界の約3%ということになります。少ないですね。しかし、とある酒販店さんの話では、1970年代では、日本のワイン国別輸入量はフランスを抑え1位だったこともあるそうですが、2009年時点では、第7位になっているそうです。
問題の第一番目は「輸入量が激減しているのではないか」ということです。(ただし、ドイツにおけるワイン造りの傾向は明らかに辛口嗜好に移行しており、小生の申し上げているのは甘口ワインに限ってのことで、辛口ワインに限定した場合は、ちょっと違うようです。)
毎日、数多くのワイン販売店様からメルマガをいただいていますが、ドイツワイン入荷のお知らせは、多分、0.5%にも満たないと思います。毎日、よくこれだけのワインが入荷するな、と感心するほどの情報をいただいているにも関わらずです。
小生は、「楽天」で定期的に「ドイツワイン」に限定して、価格の高い順に並べて、5,000円程度までのワインをすべてチェックするという暇なことをやっていますが、ここ1年くらいは、比較的高額なワインは「エゴン・ミューラーのシャルツホフベルガー」以外はほとんど入荷していないのではないかと思います。もちろん、高額なワインは生産量も入荷量も極端に少ないので、HP等に載ることなくコアなお客様に直接流れているということもあるとは思いますが。
実際に酒販店の店主さんにお話を伺っても、「ドイツワインは売れません。輸入業者さんも売れないので輸入をやめてしまったところも多いです。」とのことでした。
これが世界的な状況なのかというとそうではないらしく、中国などを中心に輸出量は増えているとのことでした。
どこの国のワインもそうですが、ワインの質・量はよくピラミッド型で表現されることが多いです。普段飲みのテーブルワイン(ピラミッドの底辺)の量が多く、上質なものほど量が少ないという三角形をなしている訳です。
小生は、ほどほどのワインももちろん好きでありますが、やっぱり頂点のワイン(スピッツェエンヴァイン)を求めており、こうしたワインは、畑・生産者・ヴィンテージの関係もあり、生産量は限られています。
前回、個人でドイツから直接取り寄せたお話を書きましたが、値段を見ると、新しいヴィンテージのワインは、ドイツとさほど変わらないというものが多くあります。これは、長い間、輸入業者様が生産者と築いてきた信頼の元、少ないワインを良心的な価格で卸していてくれているからだと思っています。
また、こうした信頼関係からの輸入のおかげで本国より入手しやすいワインもあるようです。
これから、日本国内では、ますます素晴らしいドイツワインの入手は困難になっていくでしょう。(それでも、熱心にドイツワインを輸入してくださる業者、販売してくださる店舗さんは確実に=非常に少ないですが=いることだけは大変ありがたいことであります。)
話が、長くなってしまいますので、本日はここで一旦、おしまいとさせていただきます。
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