« 正体不明のグラス | トップページ | 福島県(追記) »

福島県の応援に行ってきました。

 さて、東北大震災から2か月以上たった訳ですが、義援金以外に何か直接お手伝いできることはできないかとずっと考えていたんですが、ようやくチャンスが回ってきまして、先週、福島県に応援に行ってきました。

 小生は、お給料をいただいている、いわゆるサラリーマンの身で、職場の労働組合に所属しています。その組合が全国組織に加盟しており、その団体が募集を行っていることを知りました。

 今回は、①小生の職場には「ボランティア休暇」なる制度があり、最大5日間のお休みがいただけること、②一月サイクルで仕事をしており、月の中旬はなんとかやりくりすれば仕事への影響を最小限に抑えることができたこと、等から速攻で志願したものです。

 5月14日(土)17時福島市内のベース・キャンプ(ホテル)に集合、17:30からの説明会で初めてどこに派遣されるか、どんな業務を行うのか、発表がありました。

 小生の業務は、福島第一原発から北におおよそ15~35km程に位置する「南相馬市」の市の職員の方のお手伝いとなりました。(TV等でもお聞きしたことがある市だと思います。)

 といっても、活動場所は現地ではなく、福島市内です。というのは、南相馬市市民の方は確認されているだけで44都道府県に避難されているそうで、福島市内にも約2,900人の方が避難されています。その方々への行政サービスを行うために、4月20日に福島市役所の9階の一角に「南相馬市役所 福島市出張所」が設置されたので、基本的にここでの活動となりました。

Sany0426  これが最近できたという福島市役所です。免震構造ということで建物自体には被害はなかったようですが、外構には、今も傷跡が残っていました。

Sany0387 Sany0413  こんな感じで、20㎝ほど陥没しているところがあります。

Sany0429 Sany0431  これが、その出張所です。課長さん以下4名+非常勤さん1名の体制です。

 この事務所で、お見えになるお客様や電話の対応をサポートする業務もあったのですが、小生の業務は、市職員の方とペアを組んで、市内に74箇所ある避難所をまわるという内容で、15日(日)から20日(金)まで、毎日、多くて5箇所ほどを朝から夕方まで訪れるというものでした。

 具体的には、避難されている市民の方々に①仮設住宅の申し込み、②自ら探すアパート等への補助金、③警戒区域(20km圏内)への一時立入り、④身元不明者判別のためのDNA提供依頼等の説明をすると同時に、皆さんの困っていること、要望等をお聞きする(最終的に市役所対策本部に情報提供する)というもので、基本的に説明は市の職員の方が行い、小生は主に記録を行うというものでした。

 簡単に書きますと、こうした業務の繰り返しですが、要望事項等の時間になると、避難されている方々の不満が爆発という会場もあり、矢が嵐のように飛んで来る訳です。

 2カ月も避難生活を余儀なくされ(8か所目という方も)、市の対応が十分ではなかったということや、東電への怒りもあり、こうなってしまった訳です。

 市の職員の方の名誉のために補足をさせていただきます。県市町という地方自治体は、普段の業務を行う限りにおいては、人件費等の面から小さければ小さいほど良いわけで、事実、全国的に人員の削減が進められてきました。しかしながら、今回は「地震・津波・原発事故」という極めて異常とも言える状態であり、義援金の支払い一つとっても22,000件を素早く行わなければならず、職員が絶対的に足りなく、非常に厳しい状況にあります。また、もう一つ大事なことは、職員の皆さんも「被災者」であるということです。事実、小生とパートナーを組んでくださった市職員の方は、20km圏内の警戒区域(強制避難区域)の方で、身一つで避難をしてきたそうで、家は大丈夫だったものの、生活に必要なものが取りにいけない、義援金もまだいただいていない、という状況でした。

 小生は、「静岡」というゼッケンをつけて業務を行っていたんですが、当然のことながら、小生にも矢は飛んできます。ある会場では、説明会が終わると小生の前に来て「神奈川県で茶葉から放射線が検出されたけど、あれは福島原発の放射線じゃなくて、浜岡原発の放射線よ!!」とい言ってきた女性がいらっしゃいました。そのくらいに、皆さん、相当精神的に大きなストレスを抱えているのです。 こうした繰り返しの一週間でしたから、小生もかなり精神的に疲労しました。しかし、市職員の皆さんは小生の百倍は疲れているはずですが、「避難されている皆さんは、どこにも不満を言うところがない。せめて私たちにその不満をぶつけることで、少しでもストレスの解消に役立ってくれれば…」と、堪えており、その姿勢には強く心打たれるものがありました。

 活動最終日の21日(土)はさすがに職員の方もお休みをいただかないと倒れてしまう状態なので、外回りはなし。しかし、出張所は空けていますので、小生は、申請や相談にお見えになる方々のお相手をしたり、電話番・雑務をこなしつつ、一週間の各説明会場の質疑等の記録・要望事項の取りまとめ、現場で回答できなかった質問への回答づくり等であっというまに一日が過ぎてしまい、全ての活動を終えました。

 今回、どれほどのお役にたてたかというとお恥ずかしい話、「ほんのわずか」だったと感じていますが、少しでも市職員の方々の負担の軽減にはなったかな、とは思います。

 福島市内は、よく見ないとその傷跡は見つからないほどですが、現地に行った同じ支援グループの方に聞くと、主に海岸地域は、まさにTVでみる以上だった、とのことでした。

 また、一部報道では、支援物資も十分・ボランティアも不要、とありますが、まったくそんなことはありません。

 避難所には一次と二次があるのはご存知でしょうか。一次避難所は、TVでよく見かける体育館等です(4箇所)。ここは、①段ボールで囲まれはいるがプライバシーがない、②集団での生活になるので感染等疾病のリスクが高い、等のマイナス面はありますが、食料や衣料、生活用品等の物資は十分にあります。また、県が福島市内のホテル・旅館を借り上げており、これらを二次避難所と呼んでいます(70箇所)。多いところでは100人を超えていますが、2名といった旅館もあり、こうした方々に支援物資をお渡しするシステムが構築されていません。現状では、市職員による対応はとても無理なので、NPO等のボランティアに頼らずにはいられないと思います。

 さらに、この二次避難所も、政府の「お盆前には仮設住宅全部を準備する」といった方針を受け、基本的には7月末までとなっています。しかし、南相馬市に限って言えば、国への仮設住宅建設要望が5,000戸に対し、先週現在、910戸しか募集ができない状態で、用地問題から残りの目途も立っていない状況で、7月末までに間に合わないのはあきらかです。ホテル・旅館は、一泊3食付で5,000円という条件ですから、これ以上の避難された方々の受け入れは経営的に苦しいというホテル・旅館も多く、これらをどうするかも大きな問題です。

 加えて、①学校の教育問題(例えば、小学生は避難先の福島市の学校に通っている訳ですが、一年間転校は認められず、住まいとの兼ね合いが難しい。また、例の放射線によるいじめもありメンタル面でのケアも非常に重要)、②働かなくては生きていけないが「職」がない、などなど、山積みです。

 もう個人や市・県でどうにかできる、といったレベルではありませんが、個人的には私達一人一人が今後も支援を続けさせていただかなければと強く感じました。

 皆さんにもできる範囲で結構です。全国民が真剣にこの大きな問題に取り組んでいく必要があります。応援していきましょう!!!

 

※ おまけ(その1)

 小生は福島市内でしたので、大きな被害の現場をお知らせできませんが、折角ですので、撮ってきた写真を紹介させていただきます。

Sany0404 Sany0405  これは、福島市役所にほど近い福島県北保健福祉事務所の建物外構です。

Sany0424  ちょっとわかりづらくて申し訳ありません。屋根の一部にブルーシートがかかっているのがお分かりでしょうか。山の尾根にあたる部分です。普通の屋根瓦とは違った特殊な瓦を使っているらしく、供給が間に合わず、お聞きしたところ2年待ちというお宅もあるそうです。

※ おまけ(その2)

 最後に、書いてよいか迷いましたが、せっかくですので、メディアでは伝わってこなかった情報を二つほど紹介します。これは避難されている方々から直接お聞きした話です。

① 避難所に某市議会議員がやってきて「あれをやります。これもやります。」と言って回ったとのことです。小生達は避難されている方々から「それは本当にやれるのか!」と聞かれましたが、市職員さんによるとまったくそんな予定はないとのことでした。また、次の市議会議員選挙を狙って同様の動きをしている者がいる、ということでした。ごく一部だとは思いますが、まったく議員さんという種族は…。これ以上は言いません。

② 20km圏内の警戒区域から避難された方の話です。某NT○という誰でもしっている通信事業会社の「フレッ○光」に加入していたらしいのですが、地震のあった3月11日まで、しっかりと日割りで計算し、請求してきたそうです。被災県の全員とは言いませんが、せめて強制的に避難を余儀なくされた方に対しては減額や免除といった対応ができなかったのでしょうか。でも、さすがに超一流の企業ですね。ここまでするとは。商売熱心です。

 ここにはとても書けない厳しい実情も知りました。お知りになりたい方はご連絡ください。もっともっと応援が必要と感じていただけると思います。

|

« 正体不明のグラス | トップページ | 福島県(追記) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/558830/51763024

この記事へのトラックバック一覧です: 福島県の応援に行ってきました。:

« 正体不明のグラス | トップページ | 福島県(追記) »